企業業績見通し(フロンティア)
2009/06/04
- フロンティア企業調査室
サマリー
◆2008年度の実績および2009年度の見通しは、小売や不動産関連の下方修正が全体を押し下げている。しかし、製造業が、リストラの進展と液晶関連を中心とする在庫調整の一巡などにより久しぶりの上方修正となった。また、2010年度の経常増益率の見通しは上方修正となっている。
◆08年度の実績は前期比16.2%経常減益、09年度は9.9%経常減益、10年度は19.6%経常増益の見通しとなった。09年度は、97~98年度以来となる2期連続の減益となる見通し。一方、増益となる10年度の経常利益額は、07年度の9割超の水準まで回復する見通しとなっている。
◆09年度に減益幅が縮小するのは、08年度の評価損失や退職給付費用等の喪失効果から金融とサービス(ヘルスケア)の寄与が大きい。また、ファーストフードが好調な外食や相対的に堅調な小売、ジェネリック医薬品の需要拡大による収穫期入りが期待される医療・ヘルスケアなども貢献している。一方、機械、電機精密などの製造業は08年度以上に不振となる見通し。また、不動産やサービス(対法人)なども減益見通しとなっている。10年度には幅広い業種が回復する見込み。
◆大型銘柄で構成される大和300と経常増益率のトレンドに大きな相違はない。しかし、回復過程となる10年度については、大和300がV字回復になるのに対し、フロンティア企業の回復は穏やかなものと予想している。
◆リストラは着手すべきところはほぼ実施済の感がある。製造業では、賞与の削減および非正規雇用の削減などを実施している企業が多い。また、海外拠点の閉鎖・縮小や国内での事業撤退、生産設備の集約化が行われた。これらのリストラの取り組み度合いの違いが、需要が回復してくる10年度の業績回復のペースに影響を与えることになろう。
◆3月に発表した前回予想との比較では、09年度の経常利益額は下方修正となった。上方修正額が大きいのは、電機精密、その他製造、電子素材となっている。これまで減額修正が相次いでいた電機精密や電子素材では、コスト削減の進展や液晶向けの在庫調整の早期底打ちなどから上方修正となっている。一方、下方修正額が大きいのは、不動産、小売、サービス(IT)など非製造業となっている。不動産関連に加えて、これまで堅調であった専門店やモバイルコンテンツやSNSなどが下方修正となっている。