企業業績見通し

2009年度~2011年度企業業績見通し[2009年度 第3次予想]

最速かつ最大のコスト削減で増益転換図る ~円高進行との綱引きは85円/ドルが経常増益分岐点に~

2009/12/03

  • 金融証券研究所  高品 佳正
    村井 良慶
    芹沢 健自

サマリー

◆大和証券SMBCでは、2009年度および2010年度の企業業績見通しを改訂するとともに、新たに2011年度予想を作成した。対象は、銀行・証券・保険を除く東証1部上場の主要300社(以下、大和300)。前期比で、2009年度が11.7%減収、8.2%営業減益、 4.4%経常増益、2010年度が3.3%増収、40.4%営業増益、53.8%経常増益、2011年度が3.2%増収、21.3%営業増益、23.6%経常増益の見通し。

◆2009年度は、世界的な経済失速、生産・在庫調整が響き2桁減収ながら、迅速かつ効果的な規模でのコスト全般の削減で営業減益率は1桁に留まる見通し。一時的費用の縮小等もあり、経常利益、税引利益は増益へ。2010年度は、コスト抑制を継続、円高デメリットが縮小する中、世界経済の回復を背景に、3期ぶりに売上高、営業利益が増加に転じ、経常利益、税引利益は続伸へ。政策効果の反動、政権交代による政策変更の影響などが懸念材料。2011年度は、コスト削減効果は薄れるが、世界経済の回復持続、円高デメリットの消失から、売上高、利益の回復ペースは巡航速度に近づこう。

◆前回比で、2009年度、2010年度ともに、経常利益は需要想定の引き上げとコスト削減の上積みにから加工組立を中心とする製造業を増額修正。結果、09年度予想経常増減益率は、前回の3.0%減から4.4%増へ上方修正された。

◆ 主要固定費以外でのコスト削減が引き続き上積みされている。09年度上期の販管費減少額は前年同期比10%減の約4兆円。研究開発費、広告宣伝費、販売促進費・諸費などの減少が目を引く。一時的、緊急避難的なものばかりではなく、中長期的に効果が持続、収益性改善につながるものと期待される。

◆足元、為替の変動幅が大きくなっている。想定を上回る円高水準が定着した場合、2009年度経常利益の増減予想が再び逆転する可能性がある。下期の為替水準として、85円/ドル、130円/ユーロが2009年度増減益の分岐点となろう。

◆2011年度にかけて業績回復の裾野は広がろう。ただし、経常利益水準に関しては、大和300が07年度ピーク比7割程度にとどまる見通し。過去最高益を更新する業種がある一方で、自動車など、過去最高水準の50%未満に留まる業種もあり、業種で明暗が分かれよう。

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