[株式市場 日本]クオンツ 数学的テクニックによる分析

日本株クオンツマンスリー2009年10月号

ペンマンの財務指標、効率ファンド、リバーサルか?モメンタムか?

2009/10/27

  • 金融証券研究所 投資戦略部
    チーフ クオンツアナリスト 吉野 貴晶
    シニア クオンツアナリスト 橋本 純一
    クオンツアナリスト 斉藤 哲朗
    大和総研 投資調査部
    クオンツアナリスト 飯田 尚宏
    クオンツアナリスト 林田 正史
    前山 裕亮

サマリー

◆企業価値の向上が期待できる企業は株式リターンのパフォーマンスも期待できるのでは?という観点から、企業価値の成長ドライバとして影響の大きい財務指標に着目した。まず、その財務指標と実際の企業の利益成長との関係を検証した。更に代表的投資指標との関係を分析した上で、バリュー指標と融合した場合の銘柄選別効果についても検討した。将来の成長が期待できるとともに、バリュエーション面で割安に評価されている銘柄を選別し、投資戦略への応用を考えたものである。その結果、ΔATO やRNOA といった効率性指標と代表的バリュー指標であるPBR を融合した場合に有効性が見られた。

◆ 「ペンマンの財務指標と銘柄選別」の(その1)では、Nissim and Penman(2002)で取り上げた財務指標をベースに、企業の将来の成長などとの関連を分析した上で、銘柄選別効果やバリュー指標との融合性の検討を行った。(その2)では、補足的な分析としてファクターの属性を検討した。第1稿で取り上げたこれらのファクターに関して、マクロ局面別の有効性や主要ファクターの属性などを検討したうえで、ファクターが将来のリターンに影響を与える理由や、どういった局面で効果があるか?そして、どんなファクターと類似するか?などを検討した。そして、3ファクターとあわせたファクター効果の検討からは「業種中立ΔATO」の効果が高かった。

◆ 「効率的なファンドマネジメント手法の考察61~63」の全3稿は、投資指標からアルファ情報に変換する際に、①個別銘柄の投資指標の魅力度と、②業種自体の投資指標の魅力度の効果的な合成方法を考案した。考察61 は考察62 と考察63 の導入のための分析として、①業種内でのファクター効果と、②業種中立化した場合としない場合のファクター効果を比較した。結果、①業種内のファクター効果に関しては、「業種別」や「景気などの局面別」でも業種内の有効性が大きく異なっており、それぞれの局面に応じた戦略が必要であることがわかった。②業種中立化とそうでないアルファの違いに関しては、長期間でみると分析対象とした4ファクターで業種を中立化した方が有効性は安定した。しかし得られるリターンの大きさは業種リスクを積極的に得ることからも業種中立化をしない方が大きかった。

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